リフォーム工事が始まって、ご近所から思いもよらぬ苦情やトラブルが起こる場合がありますが、工事開始までにリフォーム業者と近隣住民への工事の影響などを話し合い、未然に対策を取れば、無用な隣家とのトラブルは防ぐ事も可能です。
リフォーム後にご近所との関係がギクシャクしないためにも、隣家トラブルを未然に回避する解決法を実践して下さい。
隣家やご近所の苦情やトラブルになり兼ねない内容
リフォーム工事は騒音や埃などで、ご近所に迷惑をかける事は度々ありますが、リフォーム工事をきっかけに思わぬ問題が起こり、人間関係が悪化する場合があります。
長年のリフォーム工事でのトラブル体験も含め、トラブルになり兼ねない内容を紹介します。
隣家との境界問題
代々、古くから引き継いだ土地で隣家との境界がはっきりとしていなかったり、ブロックの内や外が境界か等、お互いの思いが違っていたりと、境界付近に影響を与えるリフォームがきっかけで、改めて境界問題でトラブルになる場合があります。
屋根軒先の越境トラブル
増築や改築で屋根をリフォームする場合に軒先が出てるか否かで隣家とトラブル場合があります。
お互いの境界線への認識の違いから起こるトラブルです。
境界線がハッキリしていれば、越境する事など有り得ないのですが、リフォーム依頼者が間違っていれば、軒先を改めて切り直す事態にならないとも限りません。
屋根の進歩状況によっては、追加費用が発生しかねません。
トラブル体験談-1
リフォーム工事をが始まり、隣家との境界付近に足場を組み始めた途端、お隣のご主人から「他所の土地に無断で足場を組んでもらっては困る」と苦情がありました。
そこで、双方の意見のやり取りが始まり、その日の足場工事は中断となりました。
第三者が立ち入れる話では無いので、黙って双方の話を聞いていました。
境界付近に巾60センチ以上の大きな石が有ったのですが、境界が石の右端か左端かで意見が食い違っていたのです。
境界についての話は改めてする事で落ち着きました。
私は、お隣のご主人とも面識が有りましたので後日、リフォーム工事後は元の状態に戻す事で足場工事の許可を頂き、無事工事を終えることが出来ました。
古くから何代にも渡って引き継いだ土地では境界が曖昧であっても支障が無かった訳ですが、世代交代で昔の事情が分からなくなったり、所有者が変わる事でトラブルの発端になるのです。
「余談ですが」2階を増築したお客様、金融機関にリフォーム融資の申請をされており、家屋や土地の登記状況が2代前から相続登記されてない事が分かり、改めて登記をされました。
その際に、お隣とも穏便に境界線で和解され、境界杭を設置しました。
お陰でリフォーム融資の審査にも通り、リフォーム工事資金の確保が出来ました。
相続登記をしなくても固定資産税を払っていれば問題は起きませんが、仮に空き家や空き土地になり放置していると、最近、社会問題になっている九州全土の面積に匹敵する所有者不在の土地になり兼ねません。
ご近所との付き合い状態、人間関係
リフォーム中には、音や埃などでご近所に迷惑をかけたり、不快感を与える事がありますが、普段からリフォーム依頼者がご近所とどんな付き合い方、接し方をしているかによっても、トラブル度合いは変わってきます。
ご近所と良好な関係
向こう三軒両隣と付き合いも古いし、町内活動を通じてとても仲が良く、良好な関係にある場合は多少の事はお互い様とリフォーム工事がとてもやりやすくなります。
逆にご近所が車の出し入れに少し不便を感じても、遠慮がちになり、無神経な対応をしていれば、トラブルになりかねません。
親しき仲にも礼儀ありで、常に迷惑かけている事を忘れない事が大切です。
ご近所に付き合いの悪い家がある
ご近所に普段から挨拶もしない、付き合いの悪い家があれば、要注意です。
相手の対応や考えが分からないだけに、ちょっとした不快感でも大きなトラブルになりかねません。
苦情を直接言われるのは対応できますが、中には警察や役所に駐禁や違法建築では?と通報する人もいるのです。
ご近所と関わりたく無い
リフォーム依頼者がご近所との付き合いが悪い、交流がない場合、リフォーム工事の対応は全て業者任せで一切関わらない方もおられます。
ご近所から不審な眼でみられ、業者の対応次第でトラブルになりかねませんので、業者も余計に神経を使う事になります。
トラブル体験談-2
知人の紹介でリフォーム依頼を受け、紹介者と共にリフォーム内容を伺うべく依頼者宅を訪問しました。
60代のご夫婦から大規模なリフォーム内容を伺い、現況の住宅図面を預かり、見積もりをするべく話が進みました。
只、道路幅が狭く、敷地内にも駐車スペースが無く、隣の広い空き土地を利用できないかと相談してみました。
突然、息子さん夫婦が現れ、親夫婦を追い出し、「親父が何を話したかは分かりませんが、お金を出すのは我々です!
リフォームするつもりはありません。
それから、隣の空き土地と境界線で揉め、裁判中です!
隣の土地は利用できません!」とハッキリ言われました。
家庭内で話がまとまっていないので、これ以上話が進まず、「良くご相談下さい」とその場を離れました。
紹介者も平謝りでしたが、預かった図面を紹介者に返し、リフォームは見積もりする事なく破断になりました。
- 家庭内で話がまとまっていない
- 隣と境界線で裁判中
- 駐車スペースが無い
三つの問題が解決されない限りリフォームは無理と判断いたしました。
このリフォーム商談の場合、トラブルは未然に回避できましたが、工事期間中に資金や境界で揉めれば、業者としてもいい迷惑、誰一人喜ぶ者はいません。
リフォーム工事による問題
リフォーム工事期間中には、リフォーム内容によって隣家やご近所に迷惑かけたり、不快に感じる事が多々あります。
騒音や埃、臭い
リフォーム工事中には、既存部分の解体時や電動工具の使用時に騒音や埃が発生します。
埃は養生シートや集塵機で飛散を防ぎますが、完全には防ぎきれません。
電動工具の騒音は防ぎようがありません。
塗装中や防蟻処理、防腐剤使用時には、シンナー系の臭いが発生し、体質によっては体に影響を与える場合があります。
工事車両の駐車
工事期間中には複数の出入り業者の車が出入りをし、道路に駐車する場合が多く、ご近所に迷惑がかかる場合があります。
業者の対応次第でトラブルになりかねませんので、道路幅が狭かったり駐車スペースが少ない場合には、予めの対策が必要になります。
プラバシー
家の中に初めての業者が出入りする場合、警戒心から言葉を交わさない方もおられます。
言葉を交わさないのは業者にも不信感を抱かせますので得策ではありません。
改築で新たに窓を設けた場合、隣家から家の中が覗かれると苦情が入る場合があります。
プラバシーを侵すおそれがある場合には計画段階での配慮が必要です。
隣家トラブルを未然に回避する解決法
苦情やトラブルになり兼ねない内容を予め理解しておく事で未然にトラブルを回避したり少なくする事は可能です。
隣家との境界トラブルを未然に回避する
境界付近に影響を与えるリフォーム内容の場合、リフォーム業者に影響内容を確認し、工事開始までに隣家に内容を伝え、了解を得ておく必要があります。
隣家が納得がいかない説明不足は不信感に繋がりますので、リフォーム業者同伴で詳しい説明をする事も大切です。
境界線が曖昧であったり、疑問に思う場合には、予め両者の認識を一致させるため、良く話し合って下さい。
認識に食い違いがある場合、リフォーム工事への影響も考え、一歩譲る考えも大切です。
ご近所とのトラブルを未然に回避する
リフォーム工事がスムーズにやりやすいか否かの判断材料に、ご近所との付き合い状態を確認する事があります。
付き合いの良し悪しがリフォームの進行状況に影響を与える事が多々あるからです。
ご近所とのトラブルを未然に回避するには、日頃から挨拶を交わしたり、コミュニケーションをはかる事が大切です。
ご近所でリフォーム工事があった場合には、気持ちよく対応したり、話しかけるなど協力的な姿勢を示す事で自らリフォームする際にはお互い様の気持ちが芽生えるのです。
これまでに、ご近所のリフォーム工事に苦情を言ったり、協力的でなかった方は、自身の反省点を相手に伝え、お詫びすると共に、リフォーム工事への協力や積極的なコミュニケーションに心がけましょう。
リフォーム工事による問題
ご近所、特に隣家に騒音や埃、臭いで影響を与える場合には、工事業者に工事日や時間を聞き出し、予め伝えておきましょう。
洗濯物や窓の開閉に注意を呼びかけ、協力をお願いしましょう。
工事車両の迷惑駐車を回避する
工事車両の駐車でご近所に迷惑をかけそうな場合、先ず自分の駐車スペースを開ける努力して下さい。
工事期間中は別の駐車スペースを確保する、或いは日中だけ知り合いの空きガレージを借りる等が考えられます。
工事規模や道路幅によっては工事車両用の駐車スペースも数台分必要になる場合もあります。
まとめ
わかさからのアドバイス
リフォームは工事が完成すれば終わりますが、トラブルによる人間関係のわだかまりは長く尾を引きずる事になります。
ご近所とリフォームを期に今まで以上に良好な関係になれるか、険悪になるかはアナタ次第なのです。
リフォームを計画中の方は、控えめな態度がご近所からも好意的に評価を受け、協力的な態度に変わって行く事を認識して、業者任せにせず、自らトラブルを未然に回避する努力を惜しまないで下さい。