リフォーム工事を予算内で快適な住まいにする方法と注意点

私が水周りのリフォーム工事を行ったお宅では、工事途中で追加変更工事が発生し予算オーバーになりました。
奥さんの思いが工事中に変わって行った事が原因ですが、工事前から分かっていれば費用を抑えられたと悔やまれます。

私が行ったリフォーム工事の例から予算内で快適な住まいにする方法と注意点を紹介します。

リフォーム工事は予算内で想像以上に快適な空間として出来上がってこそ満足感が得られますが、思わぬ出費で予算をオーバーすれば、出来上りは満足でも後味の悪い結果になります。

予算内で満足な結果を得るには、入念な打ち合わせによる情報の共有と信頼関係の構築が重要になります。

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リフォームに至った経緯

70代後半のご夫婦と息子さんの3人暮らし、娘さんが車で1時間程の所に嫁いでおられます。

住まいは築50年以上が経過していましたが、ご夫婦で商売をされていた関係で家には寝に帰る状態で、家をリフォームする余裕も無かったそうです。

現在は、ご主人が病気になり週に2回程デイサービスに通っておられ、奥さんは主人が留守の時だけが体の休まる時だと話されていました。

ご夫婦が家で過ごす様になり、不便で使いにくい水周りを何とかしたいと思いながらも、老後や子供の事も考え、リフォームの決断が出せませんでした。

お母さんの水周りへの愚痴を事あるごとに聞いていた娘さんが、「子供のためにお金や物を残さないで、自分のために使って」と助言し、リフォームに至りました。

奥さんは自分たちの今後を考え、風呂好きなご主人のために使いやすい風呂や過ごしやすい家にしたいと、リフォームを決断されました。

リフォーム工事の内容

リフォームの内容

住まいの間取りは、南側の道路に面して玄関、台所、居間、奥に風呂とトイレ、収納棚が有り、リフォームは奥の風呂とトイレ、収納棚を取り払い、増築をして新たに風呂とトイレ、洗面、洗濯、収納棚を作る予定で見積もり、契約、工事着工となりました。

しかし、工事途中で追加工事の要望があり、結局当初とは大幅に変更になり、1期から3期に分けリフォーム工事を進めました。

1期工事

最初の計画通り古い風呂やトイレを解体し、新たに増築をして柱や梁の骨組みが出来上がりました。
骨組みを見た奥さんが、「もっと細い骨組みかと思っていたのに頑丈な作りに、地震の時にはここへ逃げます」と感動されました。

屋根が出来、床の骨組みを組む前に水道やお湯、ガスや排水等の設備配管工事を計画通りに終了、壁や床の下地施工途中で奥さんから新たな要望の話がありました。

現在進行中の工事が終わったら続きで表の台所もリフォームして欲しい」との事でした。

工事途中で古い台所の見積もりに入りました。

しかし、狭くて使いにくく、希望される予算内で台所を新しくするのには無理がありました。

何か良い方法が無いかと考えながら工事を進める途中で収納棚を設置する場所にシステムキッチンを設置し、水周りを集中させてはどうかと思い付き、その旨を「今の時点では変更可能で希望される予算内で出来そうです」と奥さんに提案してみました。

奥さんにとって目からウロコの話しだった様で即決となりましたが、「娘さんとも相談して下さい」と良く考えてもらう時間を取ってもらいました。

数日後、提案通りに工事の変更が決まり、準備に入りました。

2期工事 追加変更工事

追加変更工事では増築部分に台所を設け、洗面や洗濯スペースを再増築して台所を広く取り、水周り部分を集中させる事で新たに設置する給湯器の効率も良くなり、奥さんの日常の動線が大幅に改善されました。

その他にも表が南で陽当たりが良いため、2階から使う屋根付きのベランダを設置しました。

3期工事 旧台所のリフォーム工事

変更工事も終わり、工事の精算を済ませた時点で、旧台所と玄関周りのリフォーム依頼を受け、年明け後の1月に旧台所のリフォーム工事を行いました。

流し部分を解体、器具の撤去後床、壁、天井を明るい部屋に仕上げました。

全てのリフォーム工事が終了後、出来栄えや思ってもいなかった水周りの集中でこれまで寒かった部分が暖かく動きやすく成ったと満足のお礼の言葉を頂きました。

お客様に満足してもらえる事は工事をする側の喜びであり達成感でもあります。

只、私には最初に3期工事までの思いを聞いていたなら、「もっと動きやすい空間に成っていたのに」「もっと予算を削減できたのに」と悔いが残るリフォーム工事でした。

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予算内で快適な住まいにする方法と注意点

快適な住まいにする方法

最初に予算内で快適な住まいにするには、入念な打ち合わせによる情報の共有と信頼関係の構築が重要とお伝えしましたが、直接の信頼関係は最初は疑心暗鬼な関係が工事期間中の交流で徐々に出来上がる事が多く、それまで面識がない場合には、信頼のおける方からの紹介がお互いの信頼を早めてくれます。

リフォームを依頼する側としては、リフォームに期待する思いを全て話し、希望予算やリフォームしたい内容を全て伝えるのがベストな方法です。
前述の私が行った工事の様に、情報を小出しにすれば余計な費用が発生しかねません。

仮に予算内で全ての思いが叶えられなくても、工事内容に優先順位を付けておけば、納得が行きます。

優先順位の考え方

優先順位の例

  • 予算内で仕上げが最低限の仕様であっても全ての思いを満たしたい
  • 予算内で仕上げを重視し、見送る思いもあり得る
  • 予算をオーバーしてでも標準的な仕様で全ての思いを満たしたい
  • 予算をオーバーしてでもリフォーム場所を重視し、見送る思いもあり得る

リフォーム範囲が広範囲の場合、自分なりに優先順位を付けておけば、打ち合わせもスムーズで業者さんにも思いが伝わりやすいと思われます。

納得が行くまで何度でも打ち合わせを行いながら信頼関係を築き、思いが共有できた時点での契約、工事着工がベストな方法と言えます。

最後に

安かれ悪かれではお互いのトラブルに成りかねません。
適正価格で適正な工事内容がベストですが、両者が満足しない限りベストとは言えません。

情報の共有と信頼関係が快適な住まいへの近道と言えるのです。

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